誰にも言えない三十路の呟き~梨香子編

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「ねえ美香。私達ってやっぱり肉食女子ってことになるのかな」 飲み屋で、職場仲間の美香に聞いてみた。 「肉好きならやっぱりホルモンでしょ」 「……」 美香の返答は何かの比喩なのか? 男はホルモン分泌に必要とか……それはそれで下品だ。 とりあえず続きを聞く。 「カルビやロースなんてホルモンの味を知りゃ味気ないわよね」 「……」 男のタイプの例え? 「男の前だろうが何だろうが、ホルモン食べんのに人の目気にしちゃ負けだわよ」 結局、単なる焼肉の話らしい。 美香に聞いたのが間違いだった。 「おうっ……胸焼けしてきた。飲み過ぎた」 隣で潰れかけてる美香を見てひそかにため息をつく。 とどのつまり、私達は本能むき出しお肉女子にしか見られてない。 「視野に入る訳、ないか……」
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