相原君の戸川っち観察日記⑥

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しかし、数時間後。 相原君はへばっていた。 「なんでこんな遠いとこに家借りたんだ?」 事務所から地下鉄を乗り継ぐこと何本目だろう? 「次乗るやつで最後だよ」 長旅だったし、荷物を抱えての地下鉄の長い通路や階段は結構だるい。 「ほら、もう少しだから歩け」 戸川っちが相原君のキャリーを取って階段を降りていく。 くっ…優しいよ戸川っち。 と思ったのは角を曲がる時まで。 果てしなく続く通路に目眩がする。 「もう少し、じゃないじゃん!まるで京葉線みたいだよ」 「これでも最短なんだよ。いろいろなルートを比べてだな」 「もっと近くてお洒落な地区があるじゃん」 それでもブツブツ異議を唱えていると、戸川っちが軽くキレた。 「いちいちうるっさいんだよ!不満なら好きな場所で野宿しろ」
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