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しかし、数時間後。
相原君はへばっていた。
「なんでこんな遠いとこに家借りたんだ?」
事務所から地下鉄を乗り継ぐこと何本目だろう?
「次乗るやつで最後だよ」
長旅だったし、荷物を抱えての地下鉄の長い通路や階段は結構だるい。
「ほら、もう少しだから歩け」
戸川っちが相原君のキャリーを取って階段を降りていく。
くっ…優しいよ戸川っち。
と思ったのは角を曲がる時まで。
果てしなく続く通路に目眩がする。
「もう少し、じゃないじゃん!まるで京葉線みたいだよ」
「これでも最短なんだよ。いろいろなルートを比べてだな」
「もっと近くてお洒落な地区があるじゃん」
それでもブツブツ異議を唱えていると、戸川っちが軽くキレた。
「いちいちうるっさいんだよ!不満なら好きな場所で野宿しろ」
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