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ホテルに一人残されて、ずっと考えた。 誰が考えても同じ結論だってわかってるけど、身体に残る痛みだけは『違う』って訴えてたのに。 でも、精算の終わった部屋なんて、いつ清掃が入るかわからないから、いつまでもいるわけにも行かない。 だから、お風呂にも入ること無くあたしは泣きながら飛び出した。 その涙も、家に着いた頃にはもう枯れてた。 みやびちゃんの言うとおり、彼とは週末一緒に過ごすことも無ければ、平日だってお泊りはなかった。 今考えれば、怪しさ満点だ。 「あー、もう当分男はいいや」 真っ青な空につぶやいてみる。 「うんうん、前に二股かけられて捨てられたときも、そう言ってたわねぇ」 「……」 みやびちゃん、それ、まじで痛いから。 でも、彼女の言うとおり、あたしの恋愛はいつもこんな結末しか迎えられない。
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