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褒められるとご飯も旨い! 今日のランチは東君の奢りで、かなり古くからやってる洋食屋さんでハンバーグランチを食べてる。 「いやー、穂積、最近ほんとすげーな」 東君にそう言われて、あたしは「えへへ」と照れるように笑った。 「能ある鷹は爪を隠すってやつ?」 「隠し仕方が尋常じゃねぇ」 「……それ、褒めてないよね?」 「残業してるってことは、男と別れたか」 「……」 そういうのは分かってても言わないのがスマートな男なんだよ、東君。 「今のお前のほうが数段いい女に見えるよ。フッた男に感謝しねぇとな」 「……しなくていいし、それ、セクハラだから」 「照れんなって」 子供みたいに頭をポンポンされても反論できない。 でも多分そういうことだ。 今までどんだけ恋愛に力と時間を割いてたんだか。 自分でも呆れてしまう。
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