狭間で揺れる

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洸一の休みが終わり、本格的にリカバリー トレーニングが始まった頃、大学から クラブハウス宛に一通の書状が届いた。 洸一付きのマネージャーである杏奈は クラブハウスに届く洸一宛の郵便物は すべて開封するのだが、見覚えのある 母校の封筒を見つけ開封するのをやめた。 午前中のトレーニングを終えて着替える 為に戻って来た洸一を呼び止め、杏奈は その封筒を手渡した。 「開けていいのに。クラブハウス宛だから 事務連絡だよ。」 と彼は笑ったが、もしも杏奈が知る必要の ない内容だったら、と考えると開けるのが 躊躇われた。同じ大学出身だとこういう ときに困る。
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