狭間で揺れる

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このチームには学生時代から活躍する 選手が多く所属する。その為、講演や マスメディア(テレビ等)への出演依頼、 取材も多い。基本的に母校からの招聘は 会社側の許可は不要で届出だけで済み、 出張扱いとされる。その他の場合は部長の 判断を仰ぐが、競技に関する ドキュメンタリーなどは概ね許可された。 メディアに対する敷居は低いほうだった。 洸一はその日のうちに担当の中山恭彦に 連絡した。恭彦は陸上競技部のOBで、 洸一が一年次の四年生である。卒業後は 実業団で競技を続けていたが、最近箱根の シード権を取れず、予選会を通過できない こともある陸上競技部のテコ入れの為に 副部長として大学に呼び戻されていた。
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