ギリギリの選択

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「フォッフォッフォッ……! もう後がないぞ。どうする?」 「く、くそぅ……」  俺達は完全に追い詰められていた。  目の前には屈強なモンスターの群れ。そして、背後は切り立った崖――。まさに崖っぷちだ。 「おい、どうする? 落ちたらひとたまりもないぞ」 「私まだ死にたくない……」 「うるせぇ! んなこと分かってるよ!」  俺は大声を出し仲間たちを睨み付けた。  そうだ。ヤバいことは充分に分かっている。  だが、この数のモンスターを振り切り無事に逃げるられるかと問われても、今の俺には答える術はなかった。  コイツらの方が強いのは明らかだ。 「で? どうするんだ?」 「うるせぇ。今考えてんだよ」  考えたところでどうにもならない。そんな事は分かっていたが、仲間たちの前で弱味を見せるわけにはいかないのだ。  俺はこのチームのリーダー。幼なじみ3人で組んだ、冒険者パーティーのリーダーなんだから。
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