ギリギリの選択

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 俺達が、生まれ育った村を出たのは今から3月程前。貧しい村の子供たちが、家の負担にならないようにと冒険者になるのは、そう珍しい事ではなかった。  剣を使う俺と、弓の扱いが上手いライルは同い年。どちらも次男坊。  そして、唯一の女。魔法使いのミリアは2つ年下。上に兄と姉が1人ずついる。  俺達の村は、山野を切り開いた土地に麦の種を蒔き、それを糧にして暮らしていた。  とても肥沃な土地とは言い難く、子供が複数人産まれた家は、後に産まれた子供が冒険者になるのが習わしとなっていたのだ。  その為、俺達は小さい頃から剣や弓、魔法などを習わされ、ある程度の力を付けた者はこうして村を出ていくのだ。  大きな街には『冒険者ギルド』という仕事を斡旋してくれる場所がある。  そこに登録し、ある程度の仕事をこなすと、名指しの仕事も来るようになるという。  そうなれば、報酬も増えて村に潤いをもたらすことも出来るだろう。  そんなわけで、俺達は俺をリーダーとして登録し、イッパシの冒険者になれるよう奮闘しているところなのだが……。ちょっとレベルの高い仕事に手を出してしまったらしい。
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