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「ちょっと。会社のアドレスはまずいよ。最近総務が私用メールチェックしてるらしいし」
パソコンを開く相原君に横からガタガタと口出しをしてきた。
「じゃ、どうしろと」
「アンタのスマホでいいよ。返答あったら、またやり取り任せられるし」
「また勝手な」
仕方なくスマホを取り出した。
画面には打ちかけのメール。
美香先輩が覗きこんだ。
「ん?メールの途中だったの?」
「あ、いや……」
大した内容じゃないけど突っ込まれるのが面倒で、咄嗟に裏返す。
「あら、隠すなんて怪しいわね!まさか鈍感野郎のくせに彼女なんて言うんじゃ」
「違います、いませんって!」
スマホを奪おうとする美香先輩から早く隠そうと、とりあえず消去した……はずが。
「あ……っ」
送信してしまった。
戸川っちへのメール。
一言しか書いてなかったのに!
“早く”って。
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