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「このブランド、日本にショップありますよね?」
「この型番は国内で取り扱いがないのよ。でもこれがいいの」
「ふーん……」
「年増にだって夢があるの!一生のもんだし」
「妄想の行き着く果ての倒錯じゃないですよね?……あだっ」
凄まじい勢いで頭を叩かれた。
「返信あったらすぐ教えて。あとさっきの、私にも一応記念に転送しといて。じゃよろしくー」
美香先輩はキコキコと椅子を戻して、ご機嫌に去っていった……かと思うと戻ってきて、ドスのきいた低い声で唸った。
「他言無用。……言ったら殺す」
清純派アイドルでもないだろうに、そこまで神経質に隠さんでも。
いや、ある意味センセーショナルかもしれないが。
「梨香子先輩に頼めば良かったのに。英語できるし仲いいし」
「こんな浮ついたこと、今は頼みにくいのよ。この鈍感野郎」
「たっ」
なぜかもう一発頭をはたいて、やっと美香先輩は去って行った。
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