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私と王子との交流が最後になった夜、王子は私にお礼を言って微笑んだ。 「神さまには、ただの気まぐれな同情だったかもしれない。永久の中で生きる貴方にとって、僕のような小さな存在は暇つぶしにすらならない事も知っています」 王子は数少ない荷物の中に、仏像を手にして、懐に入れる。 「それでも、貴方は正しい事をきちんと教えてくれました。いいことも、悪いことも。 たまに来る無責任な人間より、人間らしさを教えてくれたことが、何より」 王子の手には小さな金具のようなものがあり、はまって いた首輪に嵌めました。 私が声を出す前に、耳が聞こえなくなるくらいの爆音と共に、首輪が激しい火花を解き放った。 王子の笑顔が、愛しくも悲しい。 王子の最後は調べている時に知ったので、初めから知っていた。 私がこんなに必死になるとは思っていなかった事は想定外だったし、やるせない。やる気のないままゆっくりと戻ると、私はきちんと合格し。 全は私に奇跡を与えてくれる。 「お久しぶりです」 私の新しい下僕(天使)として、王子の魂が佇んでいた。 end……
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