第一部:春夏の流れ、だらだらと、滔々と、ころころと巡る月日。

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第一部:春夏の流れ、だらだらと、滔々と、ころころと巡る月日。

春、様々な新しい変化が訪れる頃、様々な人にその変化は遣ってくる。 今、大きな変化の真っただ中に在るのは、警視庁だろう。 異例の人事交代や刑事の入れ替えが行われ。 一般に向けた中途採用の募集も行われている。 新人が入る頃だというのに、だ。 その原因は、全て殺人犯の広縞から端を発した悪霊の起こした事件に起因している。 地方には府警やら県警と言った、各都道府県の警察を統べる支部が在る。 警視庁とは、県警や府警と同じく東京都警察本部に当たるのはご存知だろう。 だが、その存在感たるや、やはり警察官のエリートが集まるから、別格とも云えるだろうか。 さて、悪霊が招いた“連続首無し・バラバラ惨殺事件”は、警視庁に大打撃を与えた。 警視庁や都内警察署に勤める刑事や警察官に、深刻な精神被害を及ぼした。 今、都内の刑事や警察官の内、3割強が移動願いやら退職願いを出して居る。 警視庁としては、新たな募集をする為に関東一帯の警察署に推薦を掛けて、人事入れ替えを警察庁に申し込み、今やその人事入れ替えが着手され始めていた。 然し、警視庁も捜査の質を下げたくないのは、言わずも知れた本音で在る。 そして、その変化の兆しは、もう木葉刑事の居た篠田班にも及んで居た。 その為、警視庁の一部を紹介しながら、その新たな変化について描いてゆきたい。 先ず、警視庁には捜査一課から三課までと、組織対策課、鑑識課などが在る。 刑事もののドラマを見れば、捜査一課や鑑識課などは当たり前のように登場するだろう。 では、捜査一課とは何をするところかと云うと。  {暴行・傷害・殺人・性犯罪・放火・強盗・立てこもりなど} と、主に対人対物の直接的な被害に関わる事件を扱う。 また、捜査一課には、それぞれ‘第一強行犯捜査’から‘第七強行犯捜査’と云う区分に分けられて居る。 そこをざっくりと説明するならば。 第一強行犯捜査には、1係と2係が在り。 1係は、主に捜査一課全体の庶務課となり。 都内の事件発生後に、警視庁捜査一課長と共に、様々な庶務に動く。 2係は、警視庁捜査一課長が捜査本部を設置すると決めると、事件の在った管内の警察署に捜査本部を設置すべく、設置作業から様々な連絡・調整に動く。 また、基本的に科捜研は、この2係に含まれている。
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