第一部:春夏の流れ、だらだらと、滔々と、ころころと巡る月日。

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一方、第一強行犯捜査の中に、第三係から第五係が新設された。 この新しい態勢での第一強行犯捜査の新設係りでは、時効の撤廃された殺人事件の継続捜査のみを担当する。 近年、殺人事件の時効撤廃の影で、時効の在る事件の捜査が進まなく成りつつ在る中。 特命継続捜査班に人員が揃い、継続捜査と強行犯係りの受け渡しがスムーズに成った為。 殺人事件の継続捜査は、ちゃんとした係りで行う事を明確化した形でも在った。 また、新しい組織改変では、知能犯に対する二課の中に、振り込め詐欺のみだけを専門に扱う係りと。 組織対策の一部を扱う専門係りが出来上がり。 組織対策犯罪室に居た、木葉刑事と同じ大学の後輩で在る〔居間部 迅〕《いまべ じん》が。 その組織が関わる振り込め詐欺を捜査する係りに入ったとも、里谷刑事が教えてくれる。 然し、木葉刑事の失った記憶の部分と成る、悪霊に因る殺人事件で。 一部の刑事課や所轄の刑事を始め、派出所等に所属する警察官には深刻な精神的負担を強いる事と成り。 その人員の入れ替えやら整理が、素早く対応しきれて無い現状は丸見えだとも。 そして、話は更に新しい班の態勢へ。 里谷刑事は、“ドライカレーとチキンのトマト煮込み”を食べながら。 「てか、新しく来た班のメンバーってね、なかなかの個性派揃いよ」 「里谷さんも込み、で?」 「YESっ」 里谷刑事と木葉刑事の事は、もう改めて書く必要も無いだろうが。 篠田班長と一緒で、篠田班の最初から居た刑事の飯田は、細身の眼鏡を掛けたインテリ系で、渋みが在る41歳。 低音域の淀み無い声、ちょっと鋭い眼、高身長で服のセンスが良い。 全く完成されたナイスミドル。 スラッとした体格で、既婚者ながら、今だに彼を狙う女性職員が居る。
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