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 ドアを開けて一歩外に出て、僕は肌を刺す冷たい空気に身を震わせた。僕が通う高校までは徒歩十五分ほどだが、それが辛くなる季節がやってきた。  この時間母さんはもう仕事に出ているから、いつも僕が最後に戸締まりをして家を出る。小学生の時から所謂“鍵っ子”というやつで、鍵に付けている子どもの頃に見ていたアニメのキャラクターのキーホルダーは、所々色が剥げていた。それをコートのポケットに突っ込み、僕はマンションの階段を降りる。一つ下の、四階。一番奥の部屋のインターホンを押すと、返事と同時にドアが開いた。 「心(シン)、おはよ。うわ、寒いな」  顔を出した潤平は、ぶるっと震えて僕を玄関の中に招き入れた。  もう制服は着ているから、僕が訪ねるのがもう少し遅ければ、潤平の方が僕の部屋まで迎えに来ていただろう。
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