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「雪野……潤平知らない? 今日は一緒じゃなかったの?」
「一緒にいた。喧嘩してた」
「……そう。それで、潤平は?」
「病院。隣の駅前の大きなとこ」
僕はガタンと派手な音を立てて椅子を倒し、立ち上がった。
「病院って……潤平が病院に行くなんて、よっぽど……!」
潤平は怪我をし慣れているからか、めったに病院に行かない。骨折した時だって、僕が引きずるようにして病院に連れていったのだ。
「相手が鉄パイプ持って来て。胸と腹辺り殴られてた。肋骨何本かいってるってさ。肋骨刺さって肺に穴空いたらしい。しばらく入院だってさ」
声が出なかった。淡々と話す雪野が信じられなかった。雪野の制服に付いているのは、潤平の血?
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