13/17
140人が本棚に入れています
本棚に追加
/76ページ
「それ、は、大丈夫、なの……? し、死んじゃったり、しないよね……!?」  でも、肺に穴って言ってた。それって生きられるの? 肋骨が、刺さって……。  想像しただけで身体が震える。恐怖で気持ちが悪くなり、僕はその場に蹲った。  痛かったよね、潤平。痛いのが好きなわけじゃないって、いつも言ってるよね? 「おい、シン、大丈夫かよ?」  蹲っている僕の肩に、雪野の手が触れた。いつものように、雪野は無傷に見えた。 「なんで、一緒にいたのに……!」  涙で滲む視界。雪野が悪いわけではないことは理解ってる。それでも、雪野を見上げて睨みつけてしまう。  一緒にいたのに。兄弟なのに。雪野くらい喧嘩が強かったら、よっぽどのことがなければ潤平を逃がすことくらい、できるはずなのに。いつもいつも、潤平にみすみす大怪我を負わせる。そうじゃなければ、雪野こそが潤平に大怪我をさせる。どうして。どうして……!
/76ページ

最初のコメントを投稿しよう!