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「今日から十二月だしね」 「わ、そうか。もう今年も終わんだなぁ。ちょい中入って待ってて。あと歯磨きしたら出れる」  眩しい金髪が跳ねながら洗面所に飛び込んだのを見て、僕は微笑んだ。  玄関に腰を下ろす。何気なく辺りを見渡すと、カップ麺の空になった容器が目に入った。一つではない。何食分もゴミ袋に突っ込まれていた。笑みが自然と消える。 「……潤平、お母さんとお父さん、また帰ってきてないの?」 「んー? ふぉうふぃっふぁくあいはえってきてないかお」  聞き取れなかったが、聞かなくても答えは予想できていた。  潤平の両親は、たびたび家を空ける。それも何日も。潤平が高校生になってからはその期間もどんどん長くなってきて、今年、高校二年になってからは一週間もの間二人とも帰ってこないなんてこともしょっちゅうだった。
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