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 ──潤平はまた怪我をした。  朝いつものように迎えに行くと、インターホンを鳴らしても応答がない。鍵が開いていて、僕は声をかけながら部屋に入った。  潤平はベッドの上で呻いていた。顔は綺麗だったから、初めは風邪でも引いたのかと思った。しかし起き上がった潤平を見て、僕は息を呑んだ。  潤平が着ている白の長袖のTシャツは、真っ赤な血がところどころに滲んでいた。一部はもう乾いて、肌に張り付いている。シーツも同様に汚れている。上肢の出血が特に酷かった。両腕とも、袖までTシャツが真っ赤だった。  潤平は薄っすらと目を開け、弱々しく言う。 「熱、少しあるみたいで。今日は学校休む。ごめんな、シン。せっかく迎えに来てくれたのに」 「そ……んなの。そんなこと、どうでも、いいよ……っ、何、どうしたの、これ……っ」 「んー……、ま、いつものだよ」 「雪野……?」 「そうそ。ちょっと苛ついてたのかな? 包丁出してきて腕の皮剥ぐもんだから、つい抵抗しちゃった。腕ん皮剥いだって死ねないっしょ? だから痛いだけだからやめろっつったら全身ちょいちょい刺された」 「病院……!」 「いやいや。ちょいちょい刺されただけだからね。致命傷になるようなのないから」
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