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「まあ、そうです」
「ご両親は?」
「知ってるよ。病院行ってちゃんと治療してたし」
潤平の異常性に慄いて、精神科に入院させようとしたけど。
「その……ご両親から暴力を受けたりはしていないのか?」
「はっ、俺とあいつが? 虐待なんか受けるたまに見えんのか? そんなことされてたら親殺してるだろ」
そういう奴に、見えているだろ?
わかっている。
だから俺が馬鹿にするように話したことに腹を立てて、保健医はそれきり踏み込んでこなかった。よほど腹に据えかねたのか、トイレに行くと言ってそのまま保健室にはすぐに戻らなかった。俺はこれ幸いとドアを開ける。
「あ、雪野でしょ」
潤平のあっけらかんとした声が聞こえて、やっぱり何ともなかったかと、胸を撫で下ろした。ベッドを覆うカーテンを開く。
「こころはいないのか──」
言葉を失う。
こころはいた。潤平の下腹部に乗っかっていた。足を開いて跨って、腰を振っていた。
俺が来たことに気がつくと、快楽に溺れながら微笑んだ。
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