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「雪野、ね、潤平のこと殴ってよ……あ、んっ」
下から突き上げた潤平は、不満そうに頬をふくらます。
「殴られんのは嫌だよ。痛いじゃん。絞めて絞めて」
「あ、ははっ、そうだね……っあ、あぁ……雪野、潤平の首絞めてよ……っ」
「……お前ら、アホか? 盛ってんじゃねえよ。すぐ保健医帰ってくんぞ」
「声、出さないように頑張る、もん……はっ」
わかった。すぐにわかった。突き落としたのはこころというわけだ。そんで興奮してこんなところでヤってんのか。突き落としたことがバレても、潤平との異常な関係がバレも、かまわないと思っているのがわかった。
潤平はただ欲に染まった瞳でこころを貪っている。こころもまた、快楽を追って腰を振る。俺が動こうとしないのがわかったのか、こころは腰を振りながら潤平の首を絞め始めた。
俺はそんな二人を見ているのに耐えられなくなって、保健室を出た。
俺が守りきれなかったもの。変わってしまった二人。
俺の存在意義は──?
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