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突然飛び込んで来てコーヒーを飲みながら小さくため息をついた、和らいでる筈なのにスーツの背中が真っ直ぐだった
細い銀フレームの眼鏡を乗せたアクのない横顔は眠そうなのにグラグラと揺れず、ただ座ってひとときの休憩を、って思ってたんだろうけど
理屈じゃないじゃん、こういうの
欲しくて欲しくて堪らなくて
…俺は彼を追い詰めたんだろうな。交わるなんて思ってもみなかった相手と交差しちゃったんだろうなって充分知ってるよ
もし朝野さんが結婚したくなったらちゃんと離してあげる。人生をかけて一緒にいたいけど
離してあげれるよ、俺は
だからお願い
言えないお願い
俺をちゃんと好きになって欲しい。誰のものにもなるなって怒って欲しい。俺のものだって言えなくても思って欲しい
そしたらね、すぐに「その時」が来たら
祝福は出来ないけど、泣いてしまうかもしれないけど
うん、
…
ただ一つだけ心配なのは本当に思った事しか言えないのに
…この口でちゃんと嘘をつけるのかな
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