花屋さんの考察

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「あーさーのーさーん」 午後一時。いい天気の土曜日を睡眠で終わらそうと気合いを入れて寝てる朝野さんを起こしに、営業中の傍ら部屋へ戻った。呼んだくらいじゃ起きないのはもうこの半年で嫌って程俺も分かってるけども 「朝野さーん、起きたらー?」 「………フグ……」 「いい天気だよ、寝て終わらす気?」 「んーるさい…」 「勿体無いって、店開いてる内に一回帰って、洗濯とかしておいでよ」 「……グー…」 「夜帰るって言ったら許さないよ」 「んるさいんだよお前はぁ!俺はさっき寝たんだよ!」 布団を剥ごうとした俺の手をパーンとはたいて元気よくまた布団にくるまった。ぐるんぐるんだ、頭も全部布団の中に潜って「嫌だ」を主張する 「さっきって、いつ」 「にじ」 「ほぼ半日前に寝たことがさっきなんてあるもんか!」 「花屋は花屋に戻れ。花屋の仕事は花を売ることで俺を起こグー」 「…」
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