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別に俺は寝てたって一向に構わないさ。夕方起きた彼が腹減った腹減ったと台所に立って、俺の分までちゃんと作ってくれてたって嬉しいばかりさ
その後に「家の事やっから帰るな」と颯爽と帰宅するのが問題なのだ
そう、俺の晩ごはんを机に置いて
「起きてもう絶対起きて!夜帰るって言うでしょ俺は今日の夜一人で寝る予定じゃないよ!」
布団の山と化した寝太郎をゆさゆさゆさゆさ揺らして何とかかんとか起きて貰おうと躍起になる俺と、本気の本気で「店に戻れ」と頑なに起きないこの人は
恋人同士、というやつだ
大きな障害も大したドラマもないままゆるーっと関係が始まったのはいいけど
「……やまと」
「む」
俺の名前を布団の奥で静かに呼ばれたから思わず揺らす手を止めて返事
「夜セックスしよう」
「そっ」
「な?すごーいのしよう。今夜はあれだ、色々……ゴニョ」
「……え、なに?朝野さん?」
「グー」
この人は、朝野さん、俺の恋人は
ずる賢い
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