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その言葉を残して朝野さんはまた深い寝息と共に動かなくなった。しんと静まった寝室で、俺は諦めて青空の広がる窓の外を見る
…弁解するけどセックスがしたくて黙ったんじゃない。見えないと言われがちだけどもう三十も過ぎてるし性欲がないわけじゃないにしても「それ」だけが関係を説明付ける行為じゃない事も知ってる
「…」
ただ、彼には彼の生活があるから
俺は花屋で、土日は絶対開店してるしうちの定休日は火曜日。反して朝野さんは平日丸っと仕事でちゃんと土日が休日だから、…休みはまず合わない
ふぅ
週末に色んな事しないと生活に支障が出るんじゃないかと思うからこそ
朝野さんはまた寝てるし、約束を破ることも忘れることもしない彼は夜多分このままうちにいてくれる。綺麗好きの彼は日曜日に自宅に帰って色々雑事をやるんだろう
彼がそれでいいならそりゃいい、けど
ふぅ
二度目のため息は自分自身へだ
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