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それからは互いが契約を交わしその通り動く会社員のようなスムーズさで事が運んで行った。
宵は反抗的な態度は一つとして見せず、瑠の言うことを淡々と聞き受け入れていった。
仰向けになるように施されていた鎖は今首と両手に付けられていた。拘束された姿は首輪を付けられ両手が不自由となった二足歩行の飼い犬だった。
そして、宵は動物のように甲斐甲斐しく世話された。
下の世話までされそうだったがそれは宵が強い拒絶を露わにしたために、その都度足枷に変え手枷を外し、キョンシーのようにぴょんぴょんと飛んでトイレに向った。
それを繰り返しているとふと宵は思うことがあったのか。
「寝室じゃなくてトイレの中で外してくれないか」
もっともな意見だった。
「必死そうに跳ねている姿が可愛いからだめ~」
聞き入れてもらえなかった。
「…………そうか」
宵は目蓋を閉じて嘆息する。
「わかった」
宵が受け入れたので、瑠はにっこりと笑みを浮かべた。
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