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陽を浴び輝く金色の髪。透き通る白い肌。そして、どこを切り取ってもこれ以上のものはない、と思える極上のパーツが並ぶ顔。
「黒縁眼鏡の、神……様」
その人があまりに人間離れした美しさだから?
神々しい雰囲気だから?
自分でも何故そう思ったのか分からない。でも、口を突いて出たのが、この言葉だった。
「神様って言われたのは初めてだ。君は四時から面接の花咲香織さん?」
「あっ、はい。そうです」
たぶん、この人がオーナーさんだ。いきなりとんだ失態だ。
恐縮しながらペコリとお辞儀をする。
「じゃ、とにかく中に入ろうか。今日は終日面接日にしたから、店は休みにしたんだ」
大きな紙袋を抱えたその人は、案内するように先を行く。
後姿を見ながら、背、高いなぁ、モデルさん並みだな、と思っていると急に振り向くオーナー。
「迷わずに来れた?」
「はっはい! 大丈夫でした」
ウッ、心臓に悪い。
「そう、なら一次審査は合格かな」
ん? どういう意味だろう、と疑問を抱きながらも後を付いて行く。
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