01)赤い屋根の洋館

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「それで、二人は厨房で何をしていたのだ?」 含み笑いを浮かべる私を、訝し気に見ながら妙快さんが訊ねる。 「ああ、そうそう。妙快、お前これ食べてみて」 オーナーの作ったオムライスの横に、私の作ったオムライスを並べる。 「何か分からんが、この二つのオムライスを食べればいいんだな」 「ああ。静もね」 そう言ってスプーンを渡す。 二人は声を合わせ「頂きます」と言い、一口ずつ口に入れる。 「何の冗談だ。同じものだろ」 「うん、二つとも同じくらい美味しい」 二人の反応にオーナーは満足気に言う。 「それが違うんだなぁ。こっちの皿はこの香織ちゃんが作ったもの」 ヘッ! と二人が私を見る。 「嘘だろ。同じ味だぞ」 妙快さんがもう一口ずつ口に入れ、確認し首を捻る。 「……お姉ちゃまの舌は特別なんだね。一緒だ」 ニッコリ微笑む静ちゃんに、何が一緒なのだろう、と不思議に思う。
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