無花果

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彼は嫌いだった。 なにもかもが、 嘘をつく友達。 給食の牛乳。 近所の吠える犬。 怖くて怖くて、 嫌いだった。 ゆらゆら揺れる影法師。 それだけが彼の憩いの時。 でもそれさえもなくなる。 少年はずっと少年ではいれない。 だから不安だった。 この思いが色褪せて、 忘れるのが、 それでもやっぱり 捨てられずに揺れていた。
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