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花、華、はな、
これは人に刺激を与える。
良くも悪くも、
人は花と共にあるってことだ。
喜ぶために花を送り、
静かな悲しみに花を手向ける。
唾広帽子に、
茶色のコート、
そいつの胸ポケットには、
花が一本刺さってる。
歩く度に、
花が揺れ、
それに合わせて頭も揺れる。
胸の花と、
周りに咲く花
それは桜。
桜の木の下には死体が埋まる。
旅立ちと巣立ちの象徴。
だから桜にはこんな逸話が残ってる。
〝酷いな〟
これは桜への花言葉。
豪奢に飾った花言葉。
可憐につけた贈り物。
そんなものよりこちらの方が、
あなたには合っている。
桜よ、桜。
どうか花らしく、
今際の夢とあれ。
旅は続く。
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