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「ああ!」
一人が大声をあげた。
「そのタイミングで猛攻かけてれば落ちたのに、獲り損ねた!」
「そこで猛攻かけたのが渡辺さんでしょうが。どう攻めても無理なんだって、戸川君は」
「だって成瀬さんアラサーじゃん。私ら、同じアラサーだよ?押せばいけたよ」
……。
どうして戸川っちがアラサー好きという論理展開になるんだ?
「どんな雰囲気なの、二人は?」
「一緒にいるところは見たことないですけど。戸川がすごく好きなのは見てて分かりましたけど」
ああ俺、喋りすぎ。
「「どういうところが?」」
重鎮様方の食い付きが怖くて、つい口が軽くなる。
「社食での視線とか…成瀬ちゃんの悪口聞いたらキレたりとか…。成瀬ちゃんのお土産に指輪を探してたって南ア駐在に聞きました」
「いやーっ!戸川君がそんな熱くなってたの?」
「や、熱かったような、そうでないような」
戸川っちの沽券のため、あのポエムのことは黙っておこう。
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