0人が本棚に入れています
本棚に追加
陽姫と十兵衛があっけにとられてた刹那を醜き声が破いた。
「闇をまといし者!貴様…どういうつもりだ…陽姫は生け捕りにしろと約束しただろう…刀を下ろせ」
妖怪の群れの背後にそれまで姿を見せていなかった一匹の妖怪が現れそう言った。
「約束だと?妖刀を俺に渡すのが先だと言ったはず。約束した妖刀は持ってきたのか?妖怪ヒョウビよ」
「陽姫を生け捕りにすれば妖刀は必ずお前にくれてやる。さあ、陽姫をこちらに渡せ」
「断る。妖刀が先だ」
「グヌヌ…貴様…我に逆らうはあのお方に逆らうに同じ。貴様、それがどういうことかわかっているであろう?」
「妖刀を持ってくるまで陽姫は渡さん。さっさと帰って奴に伝えろ」
「貴様~!この妖怪達を一人相手にして生き残れると思うな。お前達そいつを喰らってしまえ~!!」
侍達に襲いかかっていた妖怪達だが妖怪ヒョウビの合図と共に闇をまといし者に襲いかかっていった。
「陽姫様!この隙に!」
「十兵衛!」
「お前達、姫を捕まえろ!陽姫を生け捕りにするのだ!他は食い殺して構わん!」
混乱に乗じて逃げようとする陽姫達に妖怪達が襲いかかる。
「きゃああああ」
「陽姫様ーーーー!」
斬(ザン)!!!
最初のコメントを投稿しよう!