0人が本棚に入れています
本棚に追加
妖怪達との戦いで傷を負った侍達は陽姫の命でしばしの休息に入った。
======================
妖怪ガランの根城
「グハッ…はぁ…はぁ…ガラン様…申し訳ありません、奴が裏切りました。陽姫を生け捕りにすることは出来ませんでした」
「…闇カラスの目を通して状況はおよそわかっておる。おぬしがあやつごときに軽くあしらわれすごすごと戻ってきたこともな…」
「…どうか命だけはお許し下さいガラン様!」
「…陽姫を封印の外へ連れ出した以上もはや我から逃れることは出来ぬ。つまり奴は用済み…気にするな…それにそもそも…お前はもう死んでおる…」
「…え?…え?それは一体どういう―――う…ぎぎ…ギャアアアア!!!」
妖怪ヒョウビは突然全身から血を噴き流し死んでしまった。
「…フム。これは面白い…少しは楽しめそうだ。クックックック」
======================
陽姫は月影刃と名乗る男を注視している。
男のいでたちはざっくばらんな髪型で服装は極一般的な町人のそれであった。
前髪が右目を覆い隠し、見えている左目は切れ長でその眼光は鋭いが誰を見るのでもなく沈黙を見つめているかのようであった。
最初のコメントを投稿しよう!