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「陽姫さま…妖怪ガランは人間を残忍に斬り刻みその血肉を食い貪る恐ろしき妖怪にございます。その妖怪ガランが復活しよもや我らを狙っているとは…先の大戦で多くの命を奪った妖怪…今あやつに対抗出来る者など…」
「妖怪ガランに対抗出来るのは闇をまといし者のみ。十万両で手を打つ。どうだ払うか?」
「わかりました…いいでしょう、はら―」
「お待ち下さい陽姫様。」
「なぜですか十兵衛」
「月影刃とやら。先の闇をまといし者…あれは真っ赤な偽物であろう?」
「!?」
「に…偽物!?十兵衛、偽物とは一体どういうことじゃ!?」
「陽姫様、あやつが闇をこの十兵衛に放ちそしてそれを解いた時に奴は偽物だということがわかりました。あれは金縛りの一種にすぎませぬ。もし本当の闇をまといし者が放った術ならばこの十兵衛が簡単に解けるものではございませぬ。確かに動きは人間離れしたものがありますがこの十兵衛がなんとか対抗出来るものでございました」
「…さすがは剣の達人柳生十兵衛。すでに見抜いていたか」
「おのれ月影とやら、再び私達を騙そうとしたのですね!」
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