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「この結界は朝まで有効だ。朝になれば日が昇る。奴もすぐには襲ってこれない。朝を待ってもう一人と合流し城へ急ぐ。こちらの居場所がわからなければ城へは簡単に辿り着ける。見つかってしまった場合、妖怪ガランはどこかで妖術結界を張り襲ってくるだろうがそこさえ突破すれば無事に帰れる。そして突破できる可能性は高い」
「どうしてそう言い切れる?」
「妖怪ガランはまだ完全には力を取り戻してはいない。奴は少し前まで封印されていたがその封印を強引に破った代償として完全復活にはまだ時間がかかる。奴の力が不完全な今なら対抗する術はいくらでもある」
「それは本当か?」
「ああ本当だ。奴自身がそう言っていたらしい」
「もし嘘であったら?」
「…その時は…全員死ぬ」
「…」
「…むぅ」
「契約成立ということでいいなら話しはこれで終わりだ。朝まで少し休んでおけ。動けない奴は死ぬぞ」
そう言って月影刃は部屋の隅の床に寝転んだ。
「…陽姫様、我らもしばし休息をとりましょう。どの道あやつの言う方法しか我らには残っておりませぬゆえ…今は少しでも休息を…」
「…」
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