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徳川が倒れれば日本は妖怪の餌食となりすべての地が地獄絵図と化す。単刀直入に言おう。闇をまといし者である御主の力が必要だ。どうか徳川に力を貸して欲しい」
「…我は闇をまといし者。妖怪が支配する世界など望まぬ」
「では徳川に力を貸してくれるということで良いか?」
「…いや、断る」
「…!?」
「妖怪を憎む気持ちは同じとて、徳川に力を貸す気など毛頭ない。すぐに江戸城へ引き返すがいい」
「なっ!?」
「なぜじゃ?…なぜ徳川に力を貸せぬ?」
籠の中から陽姫が言った。
「我は風魔。徳川に滅ぼされし忍びの末裔」
「風魔…!?」
「徳川家康により我ら風魔一族は滅ぼされた。そしてそれは一度ではないことも知っているだろう。わずかに生き残った一族すら徳川家光の策により妖怪達の食料にされた。我は生き残った数少ない風魔の末裔…徳川とは組まぬ」
「ではなぜ私をここへ運ばせたのです?良い返事が貰えると聞いてお前の言うとおりここまで出向いて来たのですよ。…私を騙したのですね」
「お前を城の外へおびき寄せた理由を教えてやろう。陽姫お前を斬り殺す為よ」
「!!??」
「なっ!?」
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