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なんと十兵衛は自らの体にまとわりつく闇を打ち払い、寸前の所で闇をまといし者の剣を受けたかと思うとそこから一気に闇をまといし者に斬りかかる!
ザン(斬)!
十兵衛の刀は闇をまといし者の首を切り落としていた。
「はぁ…はぁ…む!?」
だが次の瞬間、十兵衛は目を疑った。
切り落としたはずの首はそこにはなく、木片だけがそこにあった。
「…これは変わり身の術!しまっ…陽姫様ーーーー!!!」
闇をまといし者はすでに陽姫が乗っている籠の前に立ち、扉を刀で斬り破ると陽姫を籠の中からひきずり出した。
「きゃああああああ!」
「陽姫よ、お前に罪はないが死んでもらう。覚悟しろ!」
闇をまといし者は刀を上段に構えたかと思うと一気に振り下ろす!
「陽姫様ーーー!!!!」
「はぁ…はぁ…」
「!?…」
だが奇妙なことに陽姫の首は落ちてはなかった。
闇をまといし者の刀は陽姫の首にかかる寸前で止められたのだ。
月光の光を背に般若の面と鎖帷子のいでたちの闇をまといし者を陽姫はじっと見ていた。
「…か…花央…!?…ば…馬鹿な!?」
「…?」
闇をまといし者は明らかに狼狽していた。
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