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ナイトメアの艦長はリュック・ピカード中佐で偏見が軍服を着たような金髪の男だ。当初、自衛隊から派遣された6名の日本人と同乗することに不快感を露わにいていたが、サイコファイターが抜群の実績を上げてからは、自分が日本人を育てていると自慢している。
「日本の戦友諸君。喜んでくれ。来月、日米合同訓練が行われる。我々は横須賀で半月の休養をとり、日本海に進出する。日本の空気をしこたま吸い込んで故郷を満喫してくれ」
ナイトメアには、サイコファイター以外にも米軍と自衛隊の仲介役をする副長の加藤隆一郎少佐とサイコファイターを統括管理する亜佐美少佐が乗り組んでいる。
「日本海……、どんな訓練ですか?」
リュックの隣で加藤が訊いた。
「ユーラシア大陸から日本に向かって落ちてくる大陸間弾道弾を迎撃するテストだ」
「水中の作戦ではないのですか?」
「水中で出来ることなら空中でもできるだろうというのが、日米両幕僚本部の見解だ。その可能性をテストする。日本を守るためだよ。悪くない話だろう?」
「日本海で出来るなら、北極海でも大西洋でもできる。テストに成功したら、ナイトメアはワシントン近海に置かれる。違いますか?」
「それは私には応えようのない質問だね」
短い応答の後、ナイトメアは深く潜行して横須賀を目指した。
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