春子と渉と警備員

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春子と渉と警備員

 等々力春子(とどろきはるこ)。25歳。深夜のコンビニでアルバイトをしている。なんだかんだで3年目。たまに面倒なお客さんはいるけれど、どうせ一期一会だ。必要以上の関わり合いもなく、わたしにとって、思いのほか快適な職場である。定時で働く会社員の友人とたまに飲むと、聞かされるのは会社のグチ。仕事の内容から人間関係まで。  幸いなことに、ウチの店長はいい人だ。するべきことをしていれば、何も言わない。入って3日で辞めていくアルバイトもいると聞くけれど、それは昼間のことであって、深夜勤務のわたしには縁のない話である。仕事をしないやつは辞めればいい。  わたしはただ静かに、毎日を過ごしていたいだけなのです。
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