君色スカイライン

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 こぼれていく。まるでそれは星屑のように空を漂いふわふわと、時に激しい風に吹かれて荒々しく地に打ちつけられる。  心にあふれた夜のような感情が。  春の木漏れ日のように穏やかな想いが。  彼だけに注がれた初恋のごとく淡い気持ちが。  幼くもなり大人にもなれる、彼と交わした言の葉はーー。  子供の頃から空が好きで、何かあればいつも空を見上げていた。  お父さんとお母さんが別れた小学五年の冬。お母さんが仕事の都合で単身海外で暮らすことになった中学三年の夏。お父さんの再婚が決まった高校二年の秋。大学進学を機に一人暮らしを始めた春。
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