episode212 Serpent

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惨めにも車に轢かれた野良猫みたいに 僕はその場にくしゃりと落下していた。 その間にすっかり身なりを整えた征司は 無言のまま踵を返し。 「待てよ!待てったら……!」 あちこち花を巻くように 僕の服を放り投げながら 優雅に温室を出て行った。 「ああ……クソ……」 と――。 取り残された僕のところに現れたのはあの蛇だ。 懲りもせず誘惑するように チロチロ赤い舌を伸ばしたりするもんだから。 「何だよ!あっち行けよ!」 蛇相手に僕は本気で声を張り上げて。 「クソ、覚えてろよ……悪魔!」 誓うんだ。 必ずもう一度九条さんを僕の物にして 王様に一泡吹かせてやると――。
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