濃く色づく桜に”キョウ”を一杯

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*** 「さて、一仕事終わった」  私は倒れている女をどかせる。打った睡眠薬が相当効いているらしい、乱暴に動かしてもビクともしない。 「坊ちゃま、ご無事で」 「いつも通りに仕事をこなしただけだ。あとの処理は頼んだぞ、じいや」  じいやと呼ばれた白髪の男性はかしこまりましたと一礼をする。 「それにしても、今日の桜は一段と綺麗でございますね。坊ちゃま」 「そうだな」  きっとそんな綺麗な桜にこの女は魅せられてしまったのだろう。  そう嘲笑いながら、私は夜桜を眺めていた。      『濃く色づく桜に“狂”を一杯』
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