38人が本棚に入れています
本棚に追加
それ故、相手が自分のペースに
合わせてくれたのだろうか。宗一は
そうやって持ち上げられても不思議では
ない経歴なのだ。
カウンターの向こうでシェーカーを
振るバーテンダーに早生子は空の
グラスを見せた。
バレンシアのグラスが置かれたのと
ほぼ同時に彼女の隣に男が座った。
「早生子さん。」
聞き覚えのある声、宗一だ。
「やっぱりここだったのか。」
「送って来たの? 彼女。」
最初のコメントを投稿しよう!