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「有りうる……。留学してたし金髪に垣根低いかもしれない……」
妄想を逞しくして頭を抱えていると、コンコンとノック音がして、若い男性スタッフが紅茶を持ってきてくれた。
“ハーイ!”と勢いよくくだけた態度で入ってきた彼は、私の顔を見た途端、なぜか笑顔が消え微妙な表情に変わった。
礼を告げても、会話もそこそこに逃げるように出ていく。
「みんな、なんで??」
だらしない格好でもないし。
英語でちゃんと挨拶もした。
……と、再びノック音。
今度は日本人の部長さんぽい方だった。
彼も私の顔を見ると固まって、挨拶が宙ぶらりんになった。
「久しぶり……あ?」
……“久しぶり”?
いつもはほとんど眠っている私の女の勘が“臭うぞ!”と叫んだ。
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