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高校3年生は春から忙しい。志望校を決めなくてはいけない。本格的に親や、学校から進路のことばかり言われる時期だ。そんな私も進路に迷っていた。
「宙、志望校とか決めた?」
「んー、まだ。莉央は決まってるんだっけ?」
「一応ね。美容の専門。」
「いいよね、決まっててー。まりは?」
「私は、公務員志望だし、とりあえず文系大学かな。」
「まりも大体決まってんのか。私、ピンチだ。」
「宙も特に決まってないなら、私今度、オープンキャンパス行くんだけど、一緒に行く?」
「オープンキャンパスかー。考えてなかったけど、行かないとだよね。参考までにいこうかな。」
まりの誘いで私は、星芽(せいめい)大学にオープンキャンパスに行くことにした。
「おーtheキャンパスって感じ!いいねぇ!私もここにしよっかなー?」
「なにその理由。」
星芽大学は、偏差値はそこそこだし、キャンパスは綺麗で、とても私向けだなと思った。だからといって、星芽大学に行きたいっ!とはならないけどね。
オープンキャンパスの案内係を見て、私はびっくりした。そこにはこないだ駅前でぶつかった、ダサい男がいた。
「ねぇねぇねぇ!まり!あの人!こないだぶつかった人じゃない?まりが、珍しく褒めてた!」
「え?あー?本当だ。偶然じゃん。」
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