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ナースコールの繋がっているテレビのリモコンの様な機械にはスピーカーの様な穴が開いているため、恐らくここで看護師とやりとりが出来るのではないかと思っていたのだが違ったらし い。
その状態のままで更に二分待ったが部屋の中はしんと静まり返ったままで、誰かがやってくる様な足音も聞こえない。
一体どうなっているんだろうか。
もしかして看護師さんが皆忙しくてこっちに来れないんだろうか。
俺はそのまま待つべきなのか迷った後に、仕方なく部屋の中をもう一度見回す。
薄暗いせいでいまいち視界が悪い。
よく見たらこの部屋には窓が無い事に気が付いた。
それに加えて電灯の明かりはついてはいるものの、心もとない弱い光を放っているだけ。
まずは電気を点けることが優先だろうか。
冷たいコンクリートの壁に手をついて立ち上がる。同時に足の裏にも冷たい床の感触が伝わって来て身震いをしてしまった。
今まで座っていたせいで気が付かなかったがスリッパも靴も履いていない。
どうして俺は部屋の片隅で靴も履かずに蹲ってたのだろうか。
後で看護師さんに聞いてみよう。
そう思いながら壁伝いに電灯のスイッチを探す。
ゆっくり歩いていると不意に足元にあった何かにぶつかって転びそうになってしまった。
ぶつかった時になにやら軽い音がしたと思い、それに触ってみるとどうやら大きめの段ボール箱の様だ。
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