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その様子を、ミチルを探していたウサミミが反対方向から見ていた。
「ミチル……。振られているのに……」
「どうやら、また一人、千路のつむじ風に巻き込まれたようだな」
いつの間にか、曳野が来ていた。
「所長……。そのたとえ、気に入っているんですね」
「あいつは女を振った後、なぜか申し訳なく思うようで、誤解されることをしてしまうんだ」
「それで、女の方は、振られたことに気づかないってわけですか……」
これからミチルは、千路に向かって必死にアピールするだろう。
たくさんいるライバルたちに、傷つけられないだろうか。
『とっくに振られているんだから、あきらめなよ』と、諭して通じるだろうか。
ウサミミは、ひそかに心配した。
五両目 終わり
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