一両目 心の旅路

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 掃除が終わって洗濯をしていると、誰かがやってきた。 “♪チャラチャララン チャラチャララン ララリララリリリンシャララーン♪” 「あれ? お客さん?」  曳野が留守の時に困ったなあ、と思いながら出ると、ウサミミよりは年上で曳野よりは若い男性が立っている。  なかなかのイケメン。  細い直毛はライトブラウン色。耳の下まで長さがあり、前髪は横に流しているが、長さは後ろ髪と同じくらいある。  白地に英語の黒文字が書かれたTシャツ。赤いカラーズボン。ジャケットはムートンのバックスキンハーフコート。足元は黒のショートブーツ。  胸元に銀のネックレス、左腕にブレスレット、腰にはチェーンを垂らしている。    ウサミミは、この男性をどこかで見たような気がした。
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