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「相原は甘けりゃ何でもいいんだとか口では言ってるけど、本心じゃないの。戸川君、素直じゃないよね」
そう言って笑う成瀬ちゃんからは愛情が溢れてて、戸川っちがすごく羨ましくなった。
相原君も誰かにこんなに好きになってもらえたらいいのにな。
「うん、戸川っちって恐そうだけど優しいよね」
「あ、でもさっきの大袋菓子は激マズらしいよ。相原がいけるか試してみようって」
前言撤回。
「成瀬ちゃん、味見してみる?」
「いいよ、いらないよ」
バリバリと大袋を開けていたら、隣の島に梨香子先輩がチョコを配りに来たのが見えた。
今年も相原君にくれるかな。
毎年、梨香子先輩は皆への義理チョコより少しランクアップしたのチョコをくれる。
でも義理チョコは義理チョコなんだけど。
梨香子先輩の本命チョコって、どんなのなんだろう?
今日の先輩はいつもよりずっと綺麗に見えた。
大袋を開ける手を一瞬止めて、梨香子先輩のほっそりした華奢な脚や綺麗に巻かれた髪に見とれた。
やっぱ、今晩は本命の彼氏と会うんだろうか?
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