1540人が本棚に入れています
本棚に追加
第20話 研修会-弐日目 朝―
――もういいかい
俺は、なぜか家の隅に隠れていた。
ここがどこなのか、なぜこんなところに隠れているのかわからなかい。
暗くて、怖い。その感情だけははっきりと理解できていた。
カツ カツ
闇の中で、靴音だけははっきり聞こえた。
そして、声。少し高めの男の声が、暗闇の中に響いていた。
暗い中、反響する声が不気味で、それだけで俺の恐怖を煽る。
少しずつ、俺に近づいているのがはっきりわかった。
「 もういいかい 」
今度は突如すぐ近くで聞こえた。
体が恐怖でガタガタと震えだす。
それをぐっと堪えるように、俺は自身の膝に顔を埋めた。
――まーだだよ
最初のコメントを投稿しよう!