第20話 研修会-弐日目 朝―

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第20話 研修会-弐日目 朝―

――もういいかい 俺は、なぜか家の隅に隠れていた。 ここがどこなのか、なぜこんなところに隠れているのかわからなかい。 暗くて、怖い。その感情だけははっきりと理解できていた。 カツ カツ 闇の中で、靴音だけははっきり聞こえた。 そして、声。少し高めの男の声が、暗闇の中に響いていた。 暗い中、反響する声が不気味で、それだけで俺の恐怖を煽る。 少しずつ、俺に近づいているのがはっきりわかった。 「 もういいかい 」 今度は突如すぐ近くで聞こえた。 体が恐怖でガタガタと震えだす。 それをぐっと堪えるように、俺は自身の膝に顔を埋めた。 ――まーだだよ
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